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鉄釜五右衛門風呂と玉石タイル [岡南興業丸裸シリーズ]


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子供の仕事に、
風呂炊きあり。



昔の子供は働きものだったかもしれない、
毎日の風呂炊き。
犬の散歩。
生ゴミの穴掘り、夏の水やり草むしり。
家業の手伝いとしては葛布集め、
梱包荷作り、タグのスタンプ押し、
荷物待ち福通運転手とのキャッチボール。
少し大人になれば原反合わせ、
裁断、ばたん付け。
私はことあるごとに逃げ回っていて
あまり「てごー」したほうではないが、
兄は真面目にやっていたものだ。
しかし、一日の仕事で必ずやらなくてはいけないのが
風呂炊きだ。

現在のように蛇口をひねればお湯は出ないので、
毎日毎日お湯を沸かさなければいけないのだ、
その役を命じられるのが子供なわけだ。
火を子供が扱うなんて危なっかしいが、
他にやる人がいないのだ。
午後4-5時日が少し傾きかける頃、
鉄釜に水を張り、ほぼ8割方埋まったところで、
袋に詰まった布葛を、丁度鉄釜の真下にあたる位置、
そして野外に焚き口があり、
そのなかに布を押し込み火をつける。
時々日の加減を見ながら布を加えていく。
鼻をツンッとつく煙は炊き口から煙突へ、
煙突はすぐ煤でつまり、掃除を怠ると、
覿面に燃えが鈍る。
何度も追い炊きするのは大変なので、
かなり高温でお湯を準備し、
入るとき水で埋めるのが基本だ。鉄釜は直接触れると火傷をする。
なので木製底板の踏み板を湯船から沈めながら入る、
洗い場は大人が2人はいるのがやっと、
湯船もせいぜい1人。それも中腰だ。
そんな足も伸ばせない五右衛門風呂を堪能するわけだ。

五右衛門風呂の表面はザラザラとしていて、
お風呂掃除も大変だ。
風呂場も細かいタイルモザイク模様になっている。
角がまるい不揃いなタイル。
いわゆる変形モザイクタイルの

「玉石タイル」。

現代においては既に姿を消しつつあるタイル。
大きさも薄水色の小を中心に大中のタイルが
ランダムに配置さえている。
大豆色と深い緑、砂目のような模様がポイントだ。

この玉石タイルはコンクリートを張った上に適当に
埋め込んだような不規則な配列だ。
タイルの角が不規則に丸いので目地もテキトーなわかだ。
風呂リフォームにおいてもこの「玉石タイル」は古さの象徴として、
リフォーム前のヒール役を買って出ている。
いまにみていろ。
次の時代に完全復活だ!
と心に刻む、
「玉石タイル」であった。

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コメント 2

江東区民

そうなんですよね。五右衛門風呂は、とっても釜が熱くなるので、慎重に入ってました。湯温が熱くなるので、うめてから入りました。私は、掃除とかは免除されてましたが、よく、薪を斧で割る仕事をしてました。小学生のころでしたが。今だったら、結構危ない仕事ですよね。玉石タイルも懐かしいですねえ。祖父や祖母に風呂に入れてもらっていたことを思い出します。そんな五右衛門風呂も、結局、釜の底に穴が空いて見事にお役ご免になりましたね。余生は、ゴミ焼き用の釜として使われていました。。。
by 江東区民 (2010-01-19 01:40) 

itavoon

江東さんも五右衛門でしたか!
それも玉石も!
これはもしかして何かの陰謀で、
彦崎地区には五右衛門風呂と玉石タイルブームが
あったのでしょうか?
穴が開くまで利用してたとはこれもご立派!
家は旧平屋が建ってた頃までありました。
取り壊したのは1990年に入ってではないでしょうか?
写真を撮っておくのでした。
旧家は今思えば突っ込み処満載でした。
一年は語れるでしょう。残念。
by itavoon (2010-01-19 12:45) 

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