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駅長が彦崎駅いた頃のはなし。 [駅地区]

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彦崎駅。
岡山行きのホームをよく見ると真ん中あたりに
黒ずんだコンクリートが一部だけ白くなっている場所があるはずだ。
線路側から見てもハッキリとわかる。

ここは以前階段だったはず。
彦崎駅が有人だった頃、
現在のように向かいのホームに渡る陸橋はなく
このホームからその階段を下りて
直に線路の上をてくてく歩いて、
また向かいのホームを階段で上る。のだ。
その階段を使用しない時は
だれかれとホームに降りないように
鉄の蓋がされている。ガラガラと。
電車が着く数分前にその鉄の蓋は駅長によって
また、ガラガラと確か長い棒で開けられる。
そして左右を安全確認してお客様どうぞということになる。

実はこれがかなり楽しい。
まず、いままでホームだったところが階段になる訳だから
ちょっとした忍者屋敷的感覚。
そして、一番の醍醐味は線路の上を堂々と歩けることだ。
踏み切りでも歩けるじゃないか。ということだが
駅構内で歩けるなんてスゴイ!ということになる。
それにホームは頭の上だ。考えただけでも興奮しないか!
これを味わったモノは電車に乗る度の大イベントになるはず
当時の電車のトイレは直出しということもあり
嗅覚からくる臨場感もスゴイ。

少し当時の彦崎駅に思いを馳せてみよう。
円形の林を囲むように円形のロータリー。
正面に木造の駅舎。大きな入り口は開放。
中央に木製の椅子は背中合わせにあったろうか?
切符売り場は入って左。
小さな穴の開いたガラスに向かい
行き先を告げると
厚い切符が渡される。
電車が来る時間まで駅構内で待ち
駅長さんの合図まで待つ。
合図があれば切符売り場のすぐ横の入り口から構内へ
岡山行きはその踏切ををわたり
宇野行きはそのまま。

駅舎の宇野側は貨物扱い。にぎやかだ。
というのも現在の「灘崎老人憩いの家」あたりに
彦崎通運があり、駅の倉庫が幅をきかせていた。
人が4-5人は入れそうな大きなズタ袋には多分綿が入っているのだろう
横に開いた穴から白いものが見える。
本当は危険で立ち入り禁止なのだが
駅の倉庫は子供には遊び場だ。
荷物から荷物を渡り歩き、当然ジャンプ一番。
綿袋だと思えば当然のこと。
当時は空中バク転ばやり。
綿袋は空中バク転少年の格好の餌食だ。

そんなこんなで
日が沈む夕方などになると彦崎駅周辺は大忙しだ。
彦崎駅は1970年5月までこんな状況だったはずだ。

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Tanktankro

想像ですが、風情ある風景ですね。
いいな。
当方の脳裏にある郷里の、弘前駅も素敵でした。
蒸気機関車が走り、夜行列車が止まり、荷物受け渡し口にはチッキを受け取りにきた乗客でごった返し。
自宅では、夜間に蒸気の汽笛が聞こえ...う~んいいね。
確かに線路の路肩にはくしゃくしゃの紙切れと茶色いものがへばりついてましたね。
by Tanktankro (2011-03-24 11:35) 

itavoon

Tankさん。こちらではお久しぶりです。

くしゃくしゃの紙切れ!そうそう。
食事中の人には申し訳ないが
路肩の車輪の錆で茶色になった石たちに
白い紙が散り散りにくっついている風情。
そのまた近くに雑草とツクシ。いっぱい咲いている。
これは当然でしょう。栄養が行き届いているからですね。
わざわざ河川敷の土手にいかなくても
ツクシはゲット。
甘露煮にするからいろんな意味で問題なし!
by itavoon (2011-03-24 13:18) 

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